人権

人権とは、出自や性別に関係なく、すべての人間に生まれつき備わっている、付与も否定もできないすべての権利と理解されています。人権は人類、ひいてはすべての国家や社会の規範的、法的基盤を形成している（参考：Menschenrechte, bpb.de）。従って、国家の特定の立法構造よりも優れていると考えられており、だからこそ、国家は人権を「承認」することはできても、定義することはできない(Menschenrechte, bpb.de）。

世界人権宣言

中心的な文書として、世界人権宣言（UDHR）は30条で人類の道徳的支柱としての人権を定式化している（参照：Deutsche Gesellschaft für die Vereinten Nationen e.V. 2018, 3）。このように、UDHRは特に、権利を通じて確保される尊厳という中心的な価値を強調している。したがって、前文で述べられている目標は、「人間社会のすべての構成員の固有の尊厳と、平等で譲ることのできない権利の承認」（Deutsche Gesellschaft für die Vereinten Nationen e.V. 2018, 6）なのです。そのような人権には、特に、生命、完全性、安全に対する権利、平等に対する権利、投票権、表現、信念、良心の自由に対する権利などがあります（参照：Menschenrechte, bpb.de）。

人権は世界的に広範に実施されているにもかかわらず、いくつかの場所ではまだ闘わなければならない。人権がすでに自明のものとなっている国もありますが、今日もなお侵害が行われています。このため、継続的な保護と実施が不可欠です（cf. Menschenrechte, bpb.de）。

人権に関する文書

国際連合や欧州評議会など、各国の連合体からなる国際組織は、世界的な人権の保障と実施を任務としている（Spohr 2014, 17参照）。

前者は、人権擁護のための事務を行う機関のネットワークで構成されている。たとえば、ほぼすべての大陸から選出された47の正規加盟国からなる人権理事会は、現在の情勢に関する会議を開催し、人権侵害の可能性を評価する（cf. Spohr 2014, 52, 54-56, 108）。さらなる機関として、人権高等弁務官事務所は、国連加盟国のそれぞれの司法機関や議会と国内レベルで緊密に連携しています。このように「事務局」として、加盟国と人権理事会をつなぐ役割を担っている（cf. Spohr 2014, 116/117）。また、国連安全保障理事会は、平和と人権を維持する上位の責任を負っている（cf. United Nations （UN）, bpb.de）。

欧州レベルでは、同じく47の加盟国からなる欧州評議会が、すでに「欧州人権条約」など、人権を守るための数多くの協定を採択しており、多数の条文で、教育を受ける権利や自由な選挙を受ける権利などの価値が確保されていると宣言している（欧州人権裁判所 2002, 35）。

今日の人権の出現

1948年12月10日、国連（UN）総会は、決議217 A（III）（人権）を採択した。すべての人々には、奪われてはならない権利があるという考え方は、第二次世界大戦やホロコーストでの犯罪の経験から生まれた（参照：History of the Document, un.org）。第二次世界大戦中の1941年、アメリカのルーズベルト大統領は、戦後の平和で公正な世界秩序を確保するために、「4つの自由」を宣言した。4つの自由とは、言論の自由、信仰の自由、欠乏からの自由、恐怖からの自由を定めたものである（cf. Haratsch 2010, 69/70）。第二次世界大戦の終結後、国際連合が設立された。国連憲章の目標は、例えば、消極的平和（軍事力の不存在）と積極的平和（人権、開発、経済・文化、友好関係の分野における協力）に向けた努力である（参照：The Founding of the United Nations, dgvn.de）.

1948

1946年の第1回国連総会ですでに人権が議題となり、翌年には人権委員会が初めて開催され、人権に関する条約が策定された。50カ国以上の加盟国が参加した最終案は、1948年9月に提出され、同年12月10日に採択された。その際、48カ国が賛成票を投じ、8カ国が棄権した（History of the Document, un.org and Haratsch 2010, 71/72を参照）。

このように、人権とその保護は、もはや国内だけの問題ではなく、国際的な問題なのである。特に第二次世界大戦は、人権の保護をそれぞれの国内法秩序に任せてはおけないことを明確にした（Haratsch 2010, 70参照）。人権は、例えば、人種差別撤廃条約（1966）、女性差別撤廃条約（1979）、子どもの権利条約（1989）、障害者の権利条約（2006）などによって定期的に拡大されている（Haratsch 2010, 73を参照）。

文献

Deutsche Gesellschaft für die Vereinten Nationen e.V. (2018): Die Allgemeine Erklärung der Menschenrechte. Berlin: Deutsche Gesellschaft für die Vereinten Nationen e.V. (DGVN).

Deutsche Gesellschaft für die Vereinten Nationen e.V. (o.J.): Die Gründung der Vereinten Nationen. https://dgvn.de/un-im-ueberblick/geschichte-der-un [18.09.2020].

Europäischer Gerichtshof für Menschenrechte (2010): European Convention of Human Rights. as amended by Protocols Nos. 11 and 14. supplemented by Protocols Nos. 1, 4, 6, 7, 12, 13 and 16. Straßburg: Council of Europe.

Haratsch, Andreas (2010): Die Geschichte des Menschenrechts. In: Klein, Eckart und Andreas Zimmermann (Hgg.): Studien zu Grund- und Menschenrechten. Potsdam: Universitätsverlag Potsdam.

Schubert, Klaus/Martina Klein (2018): Menschenrechte. In: Das Politiklexikon. 7., aktual. u. erw. Aufl. https://www.bpb.de/nachschlagen/lexika/politiklexikon/17842/menschenrechte [18.09.2020].

Schubert, Klaus/Martina Klein (2018): Vereinte Nationen (UN). In: Das Politiklexikon. 7., aktuali. u. erw. Aufl. https://www.bpb.de/nachschlagen/lexika/politiklexikon/18398/vereinte-nationen-un [18.09.2020].

Spohr, Maximilian (2014): Der neue Menschenrechtsrat und das Hochkommissariat für Menschenrechte der Vereinten Nationen. Entstehung, Entwicklung und Zusammenarbeit. Berlin: Dunkler & Humblot.

United Nations (o.J.): History of the Document. https://www.un.org/en/sections/universal-declaration/history-document/index.html [18.09.2020].